捨てられたはずが、赤ちゃんごと極上御曹司の愛妻になりました
「いただきます」
どんぶりの前で両手を合わせ、すぐさま箸をスープに沈ませた。
ちぢれ麺を水面から掬い上げると、私の顔にさらに増した湯気がかかっていく。
私はこの間のフレンチを食べていたときと打って変わり、豪快に麺を口に頬張った。
火傷しそうなほど熱いラーメンを飲み込んで、再び箸を絡ませる。
そのとき、横に座っている佐渡谷さんから視線を感じて手を止めた。
「いろいろ……がっかりしました? ジーンズにTシャツで思い切り麺は啜るし。料理が好きと公言する女は、おしゃれで健康的な食事を好むと思ってたのなら、ギャップに驚いているんじゃないんですか?」
苦笑交じりに言って、彼を横目で見た。佐渡谷さんは、割り箸を行儀よく割って、おもむろに瞼を伏せる。
「健康を害するほど偏った食べ方となると別ですが。私は我慢したくないですし、そうならない程度にはこういうものだって食べますよ。そもそもラーメンもかなり手が込んでる料理だと思いますし」
私は箸でラーメンを掴んだまま、ぺらぺらと言いわけ染みた言葉を口にする。
自分で自分がなにしてるのか理解できなくて戸惑いを隠せない。
これ以上、彼に惹かれても泣きを見るのは自分だと思ってる。だから、いっそのこと嫌われてもいい勢いで行こうと決めたはずが、なんだか中途半端な態度になっている気がする。
私が軽くパニックになっていると、佐渡谷さんは柔和な表情を浮かべた。
「まあ、確かにそういったイメージがわきやすいけど。だからって幻滅したりするわけではないよ。今も、髪を上げて食べる横顔に見惚れてただけ」
は? 見惚れたって言った? さすがに嘘でしょ……?
茫然としたのも束の間、我に返った私は視線をラーメンに落としてぼそりと返す。
「ありえませんよ。恥ずかしいのでもう見ないでください」
「ああ、ごめん。美味しいうちに食べよう」
そうして、それ以降の食事中は一切話をしなかった。
だけど私は、途中でこっそり彼を盗み見た。
佐渡谷さんは、ラーメンを食べていてもやっぱりどこか雰囲気が上品だった。
どんぶりの前で両手を合わせ、すぐさま箸をスープに沈ませた。
ちぢれ麺を水面から掬い上げると、私の顔にさらに増した湯気がかかっていく。
私はこの間のフレンチを食べていたときと打って変わり、豪快に麺を口に頬張った。
火傷しそうなほど熱いラーメンを飲み込んで、再び箸を絡ませる。
そのとき、横に座っている佐渡谷さんから視線を感じて手を止めた。
「いろいろ……がっかりしました? ジーンズにTシャツで思い切り麺は啜るし。料理が好きと公言する女は、おしゃれで健康的な食事を好むと思ってたのなら、ギャップに驚いているんじゃないんですか?」
苦笑交じりに言って、彼を横目で見た。佐渡谷さんは、割り箸を行儀よく割って、おもむろに瞼を伏せる。
「健康を害するほど偏った食べ方となると別ですが。私は我慢したくないですし、そうならない程度にはこういうものだって食べますよ。そもそもラーメンもかなり手が込んでる料理だと思いますし」
私は箸でラーメンを掴んだまま、ぺらぺらと言いわけ染みた言葉を口にする。
自分で自分がなにしてるのか理解できなくて戸惑いを隠せない。
これ以上、彼に惹かれても泣きを見るのは自分だと思ってる。だから、いっそのこと嫌われてもいい勢いで行こうと決めたはずが、なんだか中途半端な態度になっている気がする。
私が軽くパニックになっていると、佐渡谷さんは柔和な表情を浮かべた。
「まあ、確かにそういったイメージがわきやすいけど。だからって幻滅したりするわけではないよ。今も、髪を上げて食べる横顔に見惚れてただけ」
は? 見惚れたって言った? さすがに嘘でしょ……?
茫然としたのも束の間、我に返った私は視線をラーメンに落としてぼそりと返す。
「ありえませんよ。恥ずかしいのでもう見ないでください」
「ああ、ごめん。美味しいうちに食べよう」
そうして、それ以降の食事中は一切話をしなかった。
だけど私は、途中でこっそり彼を盗み見た。
佐渡谷さんは、ラーメンを食べていてもやっぱりどこか雰囲気が上品だった。