予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
「いえ、ドライブも……」と首を横に振られる。

「ドライブもできないほど体調が悪いのか?」
「そ、そういうわけではないんですけど」



 口では否定しつつも、少し顔色が悪く見える。

 本当に体調がよくないなら、あまり無理強いをしないほうがいいか。


「じゃあ、今日は家まで送っていく」
「そ、そんな。わざわざ送っていただかなくても、ひとりで帰れるので、大丈夫です」

 かたくなに拒否され、むっとする。

「俺と一緒にいるのがそんなにいやか?」
「い、いやというわけでは」

 俺の問いかけに、吉木は視線を泳がせる。

 けれどその頬はわずかに赤く染まっていた。


 
 あのときと同じだ。そう思う。
 


 強いカクテルを一気にあおり、俺に『キスしてくれませんか』と聞いてきたときの表情と一緒だ。
 
 俺の勘違いでなければ、今でも吉木は俺に好意を持ってくれていると思う。

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