予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 けれど、どうして彼女は俺を避けるんだろう。

 
 もどかしくて、たまらなくなる。

 思わず手を伸ばし、吉木の腕を掴んだ。



「じゃあ、どうして俺を避ける」
「それは」
 
 動揺のせいか、吉木の瞳がじわじわとうるんでいく。

 掴んだ手首から、彼女の心臓がドキドキとうるさいくらい鼓動を刻んでいるのが伝わってきた。

 
 彼女がなにを考えているのかさっぱりわからなくて、ちっとも思うようにいかなくて、振り回されてばかりで。
 

 でも、どうしようもないくらいかわいい。

 愛おしさがこみあげてきて、思いがあふれる。



「吉木、俺はお前のことが――」
 
 好きだ。
 
 そう伝えようとしたとき、吉木の肩からバッグが滑り落ちた。
 
 そのはずみで、硬いアスファルトの上に手帳やスマホ、ハンカチや小さなポーチが散らばる。

「す、すみません」

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