予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
『社長のリアクションはどうだったの?』

 そう問われ、さっきまでのやりとりを思い出そうとしたけれど、焦りすぎていたせいかまったく思い出せない。

「わ、わからないです……! 必死にその場から逃げることしか考えていなかったので」
『あらあら』
「でも、私が黙って社長の子供を産もうとしていたことを知って、怒っているに違いありません……!」
『まぁ、そこについては怒るでしょうね』
「で、ですよね……」

 辻さんに同意され、絶望のふちに突き落とされる。

 目の前が真っ暗だ。

「こうなったらもう会社にはいられません……。誰も知らない土地に夜逃げするしかない……」
『なに冗談を言ってるの』

 私は真剣に悩み考えているのに、辻さんはうふふと楽し気な声を上げた。

 そのときタクシーの運転手さんが「この辺でいいですか?」と後部座席を振り返った。

< 124 / 298 >

この作品をシェア

pagetop