予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 マンションの前で不機嫌そうな表情で立つその人は、間違いなく私の父だった。





  




「はい、お茶……」


 ローテーブルの前に座る父に、恐る恐るお茶を出した。

 父は短くうなずき、無言で湯呑に手を伸ばす。

 父がお茶をすする音だけが、静かな部屋に響く。



 突然やってきた父を部屋に招き入れたのはいいけれど、無口な父は仏頂面で座り続けるだけで、一向に口を開こうとしなかった。
 
 重苦しい沈黙に耐え切れなくなり、私のほうからたずねる。

「あの、どうして急に東京に来たの……?」
「こっちで結婚しろと言ったのに帰ってくる気配がないから迎えに来た」

 父は湯呑を見下ろしながらそう言った。
 
 私はちゃんと断ったのに、まさかわざわざ東京までやってくるとは……。
 
 相変わらず身勝手な父にめまいがする。

「私は仕事があるから帰らないって言ったよね?」

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