予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
「どこの女か知らないけど、私のほうが柊人さんの妻にふさわしいわよ! 美貌も教養もかねそなえているし、なんていったって富阪百貨店の社長令嬢なんだから!」
「そうだよ、柊人くん。早まった結婚は後悔するに決まっている。しっかり結婚相手の条件を見据えて考えなおした方がいい」

 必死なふたりが哀れに見えて、笑いが込み上げてきた。

「申し訳ないですが、恋人はすでに妊娠しているので、結婚を撤回する気はありません。あきらめてください」

 冷たい口調で突き放すと、ふたりは悔しそうに唇を噛んだ。

 そしてこちらを睨み去っていく。



 俺が小さく息を吐きだすと、後ろに控えていた長江が声をかけてきた。

「社長。恋人が妊娠していることを言ってしまっていいんですか?」
「適当にあしらって付きまとわれるより、付け入る隙はないとはっきりさせたほうがいいだろ」
「たしかにそうですね」

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