予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 そんな俺をしり目に、富阪父娘は楽しそうに話を進める。



「そうだ、箱根においしい和食を出すいい旅館があるんだ。ふたりで泊りで行って来たらいい」

 富阪百貨店は業績が悪く倒産の危機だという話をよく耳にする。

 この男は娘をだしにして、なんとしてもHAMASAKIに取り入ろうとしているらしい。

 
 会社のビルの前で会ったのも、偶然ではなく待ち伏せしていたんだろう。
 
 くだらない。

 俺は嫌悪感を抱きながら、口元に笑みを浮かべる。


「申し訳ありません。近々結婚するつもりなので」

 そう言うと、ふたりの表情ががらっと変わった。

「結婚? 就任パーティーのとき、恋人はいないと言っていたじゃないか!」
「そのあとできたんですよ」
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