予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
「私も手伝います」

 言いながら立ち上がろうとすると、「いいから座ってろ」と鋭い視線で睨まれた。

 申し訳なく思いながら、おとなしくソファに座り直す。

 妊娠して注意力散漫になっているせいか、すぐに物を落としたり指を切ったりするし、パスタを茹でるときの湯気で気持ちが悪くなったりもする。

 そんな私がキッチンにいたところで、邪魔にしかならないだろう。

 
 社長は麺を茹でながら手早くトマトを切り、さっぱりとした和風のパスタを作ってくれる。
 
 トマトの酸味と大葉のさわやかなにおいがただよってきて、また胃がきゅるっと鳴いた。

「できたぞ」と声をかけられる。

 ダイニングテーブルに行くと、おいしそうなパスタが小さなお皿に控えめな量でのっていた。
 

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