予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 前任のベテラン秘書の辻が産休を取ることになり、秘書室でアシスタント業務をしていた彼女に仕事が引き継がれた。

 それから今日まで彼女はただの仕事のパートナーで、女として意識したことはなかった。
 
 それに、前任の辻が結婚し産休をとったときにはなにも感じなかったのに、なぜ俺はこんなに苛立っているんだろう。
 
 彼女を手放したくないと感じるのは、きっと彼女が仕事に対して真面目で一緒にいて心地いいからだ。

 有能な秘書を失いたくないからだ。
 
 そう自分に言い聞かせながら吉木に近づく。

「待たせたか」

 声をかけ隣に座ると、吉木は「いえ」と少し硬い表情で首を横に振った。

「で、俺に頼みたいことってなんだ」

 さっそく本題に入ると、彼女はごくりと息を飲んだ。

 そして、彼女は崖から飛び降りる覚悟をきめるかのようにテーブルの上のグラスを掴み、一気にあおった。

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