予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 俺の目の前で細く白いのどが上下する。

 逆三角形のカクテルグラスに入っていたわずかに緑がかったカクテルは、きっとギムレット。

 そんな強いカクテルを流し込むように飲んで大丈夫なんだろうかと心配になる。

 彼女は濡れた唇をグラスから離し、ふぅっと息を吐きだす。

 そして、アルコールのせいか、わずかに赤らんだ目元で俺を見上げた。

「社長」

 その真剣な表情に、俺は「ん?」と首をかしげ、先を促す。

 吉木はぎゅっと手を握りしめ口を開いた。

「あの。……一度でいいので、キスしてくれませんか」

 予想外の言葉に、一瞬俺は固まった。

 は? 今、吉木はなんて言った?

 キスをしてくれって、俺を誘っているのか?

 たった今聞かされた言葉を頭の中で何度も反芻してから、彼女に視線を向ける。

 冗談かと思ったけれど、彼女の表情は真剣そのものだった。

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