予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 このかわいらしいお守りを強面の父が買ったのかと思うだけで、涙がこみあげてくる。


 意地を張って失うよりも、傷ついたっていいから彼に気持ちを伝えたい。

 父と兄のおかげで、素直にそう思えた。



「ありがとう、お兄ちゃん……」

 涙をこらえながらお礼を言うと、ちょっと乱暴に頭をなでられた。

「落ち着いてからでいいから、たまには父さんに連絡してやれよ」
「うん」
「それにしても、香澄に結婚も子供も先を越されるとはなぁ」

 ちょっとくやしそうにつぶやく兄を見て、目元をぬぐいながら笑う。

「お兄ちゃんは、彼女いないの?」
「いるよ。来年には結婚したいなと思ってる」
「そうなの!?」

 からかうつもりで聞いたのに、まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかった。

「実家の工場は俺が責任をもって継ぐ。だから、香澄は自分が幸せになることだけ考えろ」

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