予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 辻さんの言葉に笑顔になる。

「今日は長江さんも社長に同行していないけど、香澄ちゃんひとりで大丈夫?」

 そうたずねられ、「もちろんです」とうなずく。
 
 柊人さんは一日外出だから、社内での仕事はほとんどない。

「なにかあったらちゃんとほかの秘書を頼るのよ」
「わかってます」

 まるで娘の心配をする母のような辻さんを見送って席に着くと、仕事用のスマホが鳴り出した。

 電話は長江さんからだった。

 いつも冷静沈着な彼が、めずらしく焦った様子だ。



 話を聞くと、どうやら講演に必要なデータが入ったタブレットを会社に忘れてしまったらしい。

 スマホを持ったまま長江さんの席に移動し確認する。

 幸いすぐにみつけられた。



「あ、ありました。黒いケースに入っているタブレットですよね?」
『そうです。すみませんが誰かに頼んで会場まで届けてもらえませんか』

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