予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 私は顔を上げて秘書室を見渡す。

 秘書室に在籍している社員は全員で八名ほど。

 半数近くは外出し、残っている人たちも忙しそうに働いている。

 
 この中で、一番時間の自由が利くのは私だろう。

「では私が届けます」

 長江さんに驚いた声で『大丈夫ですか?』と聞き返された。

「大丈夫ですよ。今日は仕事に余裕がありますし、邪魔にならないように届けたらすぐに帰るので」
『ではお願いしますが……。急がなくていいですから、タクシーを使ってきてくださいね。なにかあったら私が社長に怒られますから』

 電話口で念をおされた。

 どうやら柊人さんの過保護っぷりが長江さんにも伝染しているようだ。私は苦笑いしながら通話を終えた。







 目的のホテルにつき、タクシーを降りる。


 大規模なフォーラムということで、会場はラグジュアリーな老舗ホテルだ。


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