予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 ドアからのぞいた会場内の人はまばらだ。

「あんな男がトップなら、富阪百貨店がつぶれるのも時間の問題だろうネ。それに比べて、本質を見抜きこんな素敵な女性を伴侶に選んだ柊人くんは素晴らしいと思うよ。残念だけど、キミに出る幕はない。これ以上常識外れの発言をして恥をかきたくないなら、さっさと家に帰りなさい」

 ロベールさんが言い切ると、周りから同意するように拍手があがった。

 完全アウェーの状況に、梨々花さんは怒りに震えながら唇を噛む。

 そして踵を返すと無言で外に歩いて行った。


 その後ろ姿を見て、緊張感がほどけた。

 へなへなとその場にしゃがみ込みそうになる。


 
 それを察した柊人さんが、「大丈夫か?」と体を支えてくれた。
 
 近くにあったソファに座らせてもらい、私はゆっくりと息を吸い込んだ。

「もう大丈夫です。すみません、騒ぎを起こしてしまって」
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