予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 そう気を遣ってくれるけれど、忙しそうな助産師さんに時間を取らせるのは申し訳なくて「大丈夫です」と必死に強がる。


 そんなことをしている間に、また陣痛がやってくる。

 私はベッドの横につけられている柵をつかみ、唇をきつく噛んだ。



 この痛みをあと何時間耐えればいいんだろう。

 痛みの山をひとつ乗り越えても、すぐにまた陣痛がやってくる。

 体力が削られていくのに反し、痛みは強くなる一方だ。


 
 こんな状況で、無事に赤ちゃんを産んであげられるんだろうか。

 そう思うと出産が怖くなった。


 
 ひとりでいるせいか、心細くて泣きたくなる。
 
 今頃柊人さんはお仕事を頑張っているんだろうな。

 せめて、声を聞きたい。

 でも、仕事の邪魔になるかもしれないし……。


 
 そう思っていると、まるで気持ちが通じたようにベッドサイドに置いていた電話が震えた。

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