予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 まさか、彼が東京を離れているときにお産が始まるなんて想定外だ。



「もう少し子宮口が開くまで、リラックスして休んでいてくださいね」と言われ、LDRという、テレビやソファがあるゆったりとした分娩室に案内されたけれど、定期的に訪れる陣痛の痛みに休むどころかどんどん体力を消耗していく。

 ベッドに横になると、赤ちゃんの心拍やお腹の張り具合を計測する機械をつけられた。


 体の外側からではなく、内側から広がる痛みをどうやって逃していいのかわからず、病室でひとり心細さにお守りを握りしめる。

 柊人さんが入院のために用意してくれたバッグの中に入っていた、父がくれたかわいらしい桃色の安産御守だ。


 
 ときおり助産師さんが様子を見にきてくれる。

「陣痛は順調に進んでますね。痛かったら腰をさすりますから遠慮せずに言ってください」

< 282 / 298 >

この作品をシェア

pagetop