予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
『こわいし不安だよな。そばにいてやれなくてごめん』
 
 そう謝られ、涙をぬぐいながら首を横に振る。
 

 我慢していた感情を爆発させたせいか、はりつめていた不安や恐怖が少しずつやわらいでいく。

 落ち着くと、さっきまで泣き言を言っていた自分が恥ずかしくなる。



「私こそ、わがままを言ってごめんなさい」
『いや、いつもは無理をして強がる香澄にわがままを言ってもらえると、俺を信頼してくれているんだなって思えて嬉しいよ』
 
 そんな甘い言葉をささやいてから、柊人さんは気が付いたように聞いてきた。

『後ろで響いてるのはなんの音?』
「あ、赤ちゃんの心臓の音です。NSTっていう機械をつけていて……」
『赤ちゃんの心臓、すごく力強く動いているな』


 その言葉に、私はNSTのモニターを振り返る。

 そこから流れる音や、表示される数字は、お腹の中で赤ちゃんが生きている証拠だ。


 
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