予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 陣痛で子宮が収縮すると、血流量が減って赤ちゃんも苦しいと聞いたことがある。
 
 この痛みに耐えているのは私だけじゃないんだ。この子も生まれてくるために、必死に頑張ってる。

 
 そう思うと、勇気がでてきた。


『香澄。お産に立ち会うって言ったのに、そばにいてやれなくてごめん』
「いえ、私はひとりじゃないから大丈夫です。柊人さんも、赤ちゃんもいてくれるから」
『またそうやって強がる』


 優しく叱られて、自然と笑みがもれた。

 正直な気持ちを言葉にする。



「陣痛は痛いし出産は不安だけど、頑張ります」
『うん。俺もできるだけ早くそっちに行くから』


 そう言って柊人さんが一度息を吐きだす。

 そして電話越しにささやいてくれた。



『愛してるよ、香澄』

 その言葉だけで、幸せな気持ちが込み上げそれまで感じていた孤独は薄れた。










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