予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
「社長は社長で香澄ちゃんが気になって仕方ないみたいだし……」

 そんな話をしていると、私は気配を察してはっと顔を上げる。

「ん? 香澄ちゃん?」

 首をかしげた辻さんを無視して、慌ててテーブルの下にしゃがみこんだ。

「どうしたの?」

 辻さんの問いかけに、私は人差し指を口元に当て、静かにしてくださいとジェスチャーでお願いする。



 次の瞬間、靴音が聞こえてきた。
 
 こちらにやってきた人物に気付かれぬよう、テーブルの下で小さくなる。

 お願いだから、そのまま通り過ぎてくれますように。


 そんな私の願いはかなわず、その人は休憩スペースに入ってきた。

「あ、社長。どうされたんですか?」
「少し下の店舗を見てくる」

 辻さんと話しているのは社長だ。姿は見えなくても、低く艶のある声を聞いただけで、心臓がどきんと跳ねる。

「お伴しますか?」
「いやいい。休憩中だろ」

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