ロミオは、ふたりいない。

「日が落ちるの早くなったね
さっきまで明るかったのに…」



「うん」



成瀬と

なんとなく距離を取ってしまう



秋の夜風が髪を揺らした

髪から成瀬の匂いがする気がした



「寒くない?」



「うん、大丈夫」



「オレ、秋って、嫌い」



「なんで?」



「なんか、寂しいから…」



「そぉかな?」



「木々羅さんは?秋好き?」



「うん、好き…
冬服になる季節だから好き」



「じゃあさ…

ユートのことは?
ユートのことは…好き?」



え…



「なんで、そんなこと聞くの?

好きだよ
彼氏だもん」



成瀬

変だよ…



「だよね…

ホントいいヤツだから
オレのオススメ

なんで、あんないいヤツなんだろ…

けど
油断しすぎ…

オレのこと、信用しすぎ…

人が良すぎるって
ユートみたいな人でしょ

ちゃんと待ってろよ
雨降ってなくても…」



後ろから車のライトに照らされた



「危ない…
もっとこっち歩きなよ…」



成瀬の手が

私の肩に触れた



ドキン…



「嫌…!」



咄嗟に成瀬から離れた



「危なっ!」



成瀬が私の腕を掴んで…


引き寄せられた



ドキン…


ドキドキ…ドキドキ…



「車、来るから…危ないよ…」



ドキドキ…



カーディガンの上から

成瀬の手の感触が伝わってきた



「ヤダ…」



「え…」



「成瀬…ヤダ…

成瀬
変だよ…

成瀬…最近、おかしいよ…」



ドキドキ…ドキドキ…



ドキドキしたらダメなのに

ドキドキしてしまう



成瀬、ヤダ…

ドキドキするから

ヤダよ…



変だよ

成瀬…




変なのは…


私かな?



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