■王とメイドの切ない恋物語■
「はい、そこ、いちゃつかない」

いつの間にか、チチリさんが、ニヤニヤしながら、そばに立っていた。


「そんなんじゃないってばーっ」

私が真っ赤になって、反論すると

「エリックどうなの~?」

チチリさんは、からかうように、エリックに聞いている。

「あはは どうなんでしよう~。俺としては、歓迎なんですが」

エリックは、笑いながら答えている。


こらこら、エリック。

ますます、誤解されちゃうじゃないよー。

「もうーっ エリック ちゃんと否定してよーっ」

ますます顔が、赤くなる私。

そのやりとりを見て、チチリさんがエリックをぽんぽん叩いている。

「エリックも大変ね 先は長いわよ」

「そうですねー。がんばります」

なんか二人で、楽しそうに笑ってるじゃないよ~




私は、なんだか恥ずかしくなってきた。

エリック、どういう意味なの?

それって、それって…

はーい、もう私、限界でーす。

頭が、パンクしまーす。


私は、二人の間に入って

「はーい、わけのわからない会話は、そこまでーっ!二人とも仕事!仕事!」

そう言って、チチリさんとエリックの肩を叩いた。



二人とも、もーしょうがないな、といった顔で笑っている

「はーい」

「じゃあ、また舞踏会でねー」

そう言って、二人は仕事に戻っていった。
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