■王とメイドの切ない恋物語■
ト トーマ様?

どうりで、品があると思ったら、王様だったんだねって、私は、何てことをしてしまったんだ!

おぉぉぉぉ・・・・。

よりによって、王にぶつかるなんて、普通なら、ただじゃすまないのでは・・?まさか、トーマ様が王だったなんて。

トーマ様は、1礼すると、ゆっくり話し始めた。


「私が、王のトーマ・ガーランドである。今日からマーヤの言うことをよく聞き、精一杯がんばるように」

相変わらず、トーマ様は、美しく、とてつもなく、いい男だったけれど、昨日のような、ほんわかした優しさはなく、威厳のある王という感じが強かった。



みんな順番に1通り自己紹介し、ホールを出た。そして、それぞれ仕事を割り当てられ、解散した。


なんか、トーマ様・・、昨日と印象違ったな・・・。

なんか、もっとこう、優しく包んでくれそうな雰囲気だったのに。

私の勘違い?


ちょっと、しょんぼりとした気持ちで、割り当てられた、廊下の掃除に取り掛かった。


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