■王とメイドの切ない恋物語■
私達は、きれいな湖を眺めながら、ゆっくり食事した。

1通り、全部食べ終え、残りはデザートのみとなった。

デザートのパウンドケーキは、3時のおやつに食べることにした。

「トーマ様、いつもより、たくさん召し上がられましたね」

「あぁ、やっぱり外で食べると気持ちいいからな。
リリアの、お弁当おいしかったしな。ありがとう」



うーっ

最高に幸せだ。

ありがとうの言葉が、胸に染み渡る。

「いえ、こちらこそありがとうございました。私も、いい気分転換になりました」

私は、トーマ様を笑顔で見つめた。

大好きなトーマ様。

二人でこうやって、お昼食べて、ゆっくりできるなんて夢のようだよ。

トーマ様は、王様。

私はメイド。




普通だったら、こんな機会は、絶対にあり得ない。

神様に、たくさん感謝しなきゃ。

私は本当に幸せものだよ。

私は空を見上げた。

澄み渡った青い空、心地よい風。

トーマ様も目を閉じて、気持ち良さそうにしている。

私も同じように目を閉じてみる。

< 170 / 396 >

この作品をシェア

pagetop