■王とメイドの切ない恋物語■
私は息を整えながら、公園に入った。

公園っていっても、大きな芝生や花壇、池や、遊具のある場所等々、結構広い。

どこで待ち合わせするか、決めてなかったよ。

13年前に1回会っただけだから、記憶も曖昧だ。

どの人が、まーくんか、わからないじゃない。

まーくんもきっと、私のこと、わからないと思う。

失敗したなぁ。

どうすればいいの?

うーん、下手に動くと、行き違いになったりするかもしれないよね。

私は考えたあげく、公園の入口に1番近い場所にあるベンチに座った。

あと2分。

周りを見渡す。

特にそれらしき人は、見当たらない。


せっかくだから会いたいよ。

絶対会いたい。


まーくん、どうか私を見つけて。


私は自分のひざを見つめながら、ぎゅっと手を握り締めた。

「リリア」

向こうから、私を呼ぶ声がした。

私は顔をあげ、声がする方を見つめた。


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