■王とメイドの切ない恋物語■

誤解

朝起きて、準備を整え、部屋を出た。

結局、昨日訪ねてきたのは、ジュリアだったらしい。

何で、訪ねてきたかまでは、聞かなかったけどさ。

うーん。

やっぱり、トーマ様にアタックするっていうの、本当だったんだね。

私は少し不安になりながら、ラノス様の部屋に向かった。




今日から、ラノス様の専属メイドか。

トーマ様に、余計な心配させないように、私がしっかりしなきゃね。

うんっ!

「ラノス様、リリアです。おはようございます」

私は、ラノス様の部屋を、ノックした。

ガチャ

扉が開き、ラノス様が顔を出した。

「おはよう、リリア。入って」

「失礼します」




この部屋は、前、エリザベス姫が宿泊していた部屋だ。

前と違い、ずいぶんシンプルで、余計な物がないから、違う部屋みたいだ。

エリザベス姫、部屋中、花だらけにしてたもんなー。

私は懐かしい思いに、ひたった。

「ラノス様、私は何をしたらいいのでしょうか?」

専属でメイドする事は聞いているが、何をするかは全く聞いてない。
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