■王とメイドの切ない恋物語■
「そばにいて、俺の補助をしてくれるだけでいいよ」

ラノス様は、笑顔で近寄ってくる。

ラノス様、かっこいいから、普通の子ならドキドキするところだろうけど、私にはトーマ様がいるもん。

私は落ち着いて、ラノス様を見た。

余裕、余裕。

ふふふーん。




「リリア」

「はい」

何でも、どーんとこい。


「俺さー、何回か、この城遊びに来てて、そのたびリリアのこと気になってたんだよね」





・・・。

はいぃーっ?

落ち着く予定が、この1言で一気に焦ってくる。

どうゆうこと?

「あの…」

「2週間の滞在中に、絶対、好きになってもらうから」

ラノス様は、自信に満ちあふれた顔で私を見る。

「いやー、あの、うーん」

返事に困る。

トーマ様とのことは、秘密だし。




あぁぁー。。。

なんか、この前のエリザベス姫みたいだよー。

まいったな。

厄介なことになりそう。

こんなんで、専属メイド、2週間も出来るんだろうか?

いい加減、ジュリアのことでも、いっぱいいっぱいなのにーっ。

えーん

誰か助けて・・・。
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