■王とメイドの切ない恋物語■
しばらくまた寝て、ふと目を覚ますと、凄い汗をかいていた。

私はフラフラと起き上がった。


ふう、本当しんどいな。

私は、チチリさんが用意してくれた服にやっとの思いで着替えた。



ふと、ベッドのサイドテーブルを見ると、さっきもらったフルーツが置いてある。

ちょっとは食べなきゃね。

私は、エリックのくれたフルーツを頬張った。

おいしい。



そして、薬を飲み、ベッドに戻ろうとしたら、くらっとめまいがして、近くの壁に寄りかかって、そのまま座り込んでしまった。


今、いったい何度、熱があるんだろう?

向こうの机の引き出しに、体温計があるけど、取りに行くのすら、しんどい。

ベッドに戻らなきゃ。


私は力を振り絞り、立ち上がろうとすると、またノックする音が聞こえた。

「はい」

これが自分の声?

喉をやられたせいか、かすれた声しか出ない。

私が、ドアの方を見ると、


トーマ様が、心配そうな顔で立っていた。


< 341 / 396 >

この作品をシェア

pagetop