■王とメイドの切ない恋物語■
「へ~ あのトーマ様がね」
チチリさんは、かなり驚いているようだった。
「私は、ここに勤めて3年だけど、トーマ様と会話したことなんて、せいぜい1回か2回くらいよ。しかも内容はマーヤさんに伝言するとか、そんなことだった気がするわ」
「そっ そうなんですか。私、てっきりみんなにも…」
「他のみんなも、あまり話したことないって、前に言っていたわ。話すときも淡々としていて、あまり笑ったりしないし」
…え? ええーーっっ!
「そっ そうなのですか?結構にこっとしてくれるし、優しい人当たりのいい人だなと思っていたんですが」
チチリさんは、考え込むようにして
「うーん、私の印象だと、すごく真面目で堅物って感じかな。だから、リリアとトーマ様が屋上デートしたなんて、もう驚きっていうか、信じられないっていうか…」
そうなの?そんなに、すごいことなの?
「そうなんですね。トーマ様、どうしちゃったんでしょうね?何かの気紛れかな…。でも、昨日の出来事は、私の心臓には十分すぎるくらい衝撃でしたよ」
チチリさんは、ウンウンと頷き、
「そうでしょう、そうでしょう。何たって彼は王様だもんね。立場が違いすぎてある意味ドキドキだよね」
私がドキドキしているのは立場とかも関係あるかもしれないけれど、もっと別なんだけどな。
「んー、そうじゃないんだけどな」
私が、ぼそって言うと
「んっ?」
チチリさんが振り返った。
「うううん、何でもなーい」
私は誤魔化して、この話は終了にした。
その後も、しばらく違う話で盛り上がって、チチリさんの部屋を後にした。
チチリさんは、かなり驚いているようだった。
「私は、ここに勤めて3年だけど、トーマ様と会話したことなんて、せいぜい1回か2回くらいよ。しかも内容はマーヤさんに伝言するとか、そんなことだった気がするわ」
「そっ そうなんですか。私、てっきりみんなにも…」
「他のみんなも、あまり話したことないって、前に言っていたわ。話すときも淡々としていて、あまり笑ったりしないし」
…え? ええーーっっ!
「そっ そうなのですか?結構にこっとしてくれるし、優しい人当たりのいい人だなと思っていたんですが」
チチリさんは、考え込むようにして
「うーん、私の印象だと、すごく真面目で堅物って感じかな。だから、リリアとトーマ様が屋上デートしたなんて、もう驚きっていうか、信じられないっていうか…」
そうなの?そんなに、すごいことなの?
「そうなんですね。トーマ様、どうしちゃったんでしょうね?何かの気紛れかな…。でも、昨日の出来事は、私の心臓には十分すぎるくらい衝撃でしたよ」
チチリさんは、ウンウンと頷き、
「そうでしょう、そうでしょう。何たって彼は王様だもんね。立場が違いすぎてある意味ドキドキだよね」
私がドキドキしているのは立場とかも関係あるかもしれないけれど、もっと別なんだけどな。
「んー、そうじゃないんだけどな」
私が、ぼそって言うと
「んっ?」
チチリさんが振り返った。
「うううん、何でもなーい」
私は誤魔化して、この話は終了にした。
その後も、しばらく違う話で盛り上がって、チチリさんの部屋を後にした。