■王とメイドの切ない恋物語■
「顔をあげなさい。私も、よそ見をしていたのが悪かった。さぁ・・・」

促されるように頭を上げると、そこには、一人の男の人が、微笑みながら立っていた。

くっきりしたきれいな瞳に、すっと通った鼻筋。さらさらとした、ブロンドの髪。

背は180くらいだろうか。立派な服に、マントみたいな物を羽織っていて、それがまた、すごく似合っている。まるで物語に出てくる王子様みたい…。

あは、それは言い過ぎか。

でも・・、一言で言えば、かっこいい。めちゃくちゃ、かっこいい!


こんな人、今まで会った事ないよ。素敵・・・。


私は、うっとりと、その男の人を見上げた。

「そんなに見つめられたら、穴があいてしまうよ」

男の人は少し照れたように笑った。

「もっ 申し訳ございません!」


あああああぁぁぁ・・・・めちゃくちゃはずかしい。ぶつかった上に、私は一体、何をしているのだーっ。
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