■王とメイドの切ない恋物語■
私は、ふと、まーくんの手紙を思い出した。


「エリック、あのね、昔からの友達が、好きな人がいて、将来は結婚とかしたいらしいんだって。エリックは、そういう人いる?」

エリックは、少し考えて、つぶやいた。

「うーん、結婚とかは、まだよくわかんないけど、
気になってる奴はいるかな」





なにーーー?気になる~~~~~

「えー!本当!?誰?誰?教えてよーっ お城の人?」

エリックは、えへへと笑った。

「内緒~。それよりリリアは?そういう人いるの?」

私は、少してれながらエリックを見た。

「私もいるよ。でも、私なんか全然無理って感じだから、切ないよー。ははは…切ない、切ない」


するとエリックは、真剣な顔をして、私の肩をつかんだ。

「何言ってんの?全然無理じゃないって!
リリア、めちゃくちゃ可愛いじゃん。
こう、思わず抱き締めたくなるような…」

そこまで言って、エリックは真っ赤になった。


私も真っ赤だ。

「もっ、もーっ エリックったら何言ってるんだか。 あははは~~~」

「そっ そうだよなー、俺、何言ってるんだろう。
はっはっは~」



・・・・・・・。


気まずいんだか、照れくさいんだか、

よくわからない空気が、二人の間を流れる。

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