【短】エリュシオン
そして、ポップコーンとコーラとウーロン茶を買ってから、それを持って館内に入り、既に宣伝映像の始まっている一番スクリーンへとうながされた私たちは、少しだけかがみ込んで歩き、自分たちの座席を探した。
当たり前だけれど、少し暗めの照明になんだか胸がドキドキする。
それは映画を観る前という高揚感もあったけれど…。
なんか…これって結構恥ずかしいかもしれない。
隣に座った彼のことをなるべく意識しないように、色んなことを考えて気持ちを落ち着けようとしてる私の思いなんて、これっぽっちも感じてないのか…彼は少しだけ近寄ってくる。
多分、仄暗い状態で、あまり顔が見えないからだろう。
じゃなかったら、きっと彼からこんな風に私の方へ近付くことなんてないだろうから……。
「美緒さん…、そろそろ始まるね」
抑えられた静かな声は、いつも聞いている声よりもやや低くて掠れていた。
私はそれがとてもくすぐったくて、少し身じろぎながら、なんでもないような態度を取ってから、
「そうだね」
と、一言短く答えた。
当たり前だけれど、少し暗めの照明になんだか胸がドキドキする。
それは映画を観る前という高揚感もあったけれど…。
なんか…これって結構恥ずかしいかもしれない。
隣に座った彼のことをなるべく意識しないように、色んなことを考えて気持ちを落ち着けようとしてる私の思いなんて、これっぽっちも感じてないのか…彼は少しだけ近寄ってくる。
多分、仄暗い状態で、あまり顔が見えないからだろう。
じゃなかったら、きっと彼からこんな風に私の方へ近付くことなんてないだろうから……。
「美緒さん…、そろそろ始まるね」
抑えられた静かな声は、いつも聞いている声よりもやや低くて掠れていた。
私はそれがとてもくすぐったくて、少し身じろぎながら、なんでもないような態度を取ってから、
「そうだね」
と、一言短く答えた。