記憶の糸。
「……そうでなきゃ、春枝のように振る舞えるわけがなかろう」
「……確かにね」
私が笑うと、義也様は「弥生と言ったか」と私を見つめる。
「はい……」
「お主は、いくつだ?」
「……18歳」
「そうか!……さて、私はそろそろ寝る。お前も早く寝ろよ」
そう言って、義也様は部屋を出ていった。私は、窓から外を眺める。
「……」
憑依、か……でも、何か違う気がするんだよね。良く夢に出てきた女性と全く同じ姿だから……多分だけど、これは夢の中。
『良く分かりましたね』
声が聞こえてきて、私は声がした方を向いた。そこには、半透明の春枝さんがニコリと笑っている。
「……もしかして、春枝さん……?」
『その通りです。私の記憶を、お見せしようと……』
「なぜ、その必要が?」
『……泣いてる女性の夢を見たあと、あなたは苦しくなるでしょう?それには、この記憶が関係しているのでは、と思いまして……それに、あなたは義也の末裔ですから……』
その言葉に、私は驚くことしか出来なかった。
『あくまで、ここはあなたの夢の中。歴史が変わるわけではありません。私の体をお貸ししますので、自由に過ごしてみてください』
「……確かにね」
私が笑うと、義也様は「弥生と言ったか」と私を見つめる。
「はい……」
「お主は、いくつだ?」
「……18歳」
「そうか!……さて、私はそろそろ寝る。お前も早く寝ろよ」
そう言って、義也様は部屋を出ていった。私は、窓から外を眺める。
「……」
憑依、か……でも、何か違う気がするんだよね。良く夢に出てきた女性と全く同じ姿だから……多分だけど、これは夢の中。
『良く分かりましたね』
声が聞こえてきて、私は声がした方を向いた。そこには、半透明の春枝さんがニコリと笑っている。
「……もしかして、春枝さん……?」
『その通りです。私の記憶を、お見せしようと……』
「なぜ、その必要が?」
『……泣いてる女性の夢を見たあと、あなたは苦しくなるでしょう?それには、この記憶が関係しているのでは、と思いまして……それに、あなたは義也の末裔ですから……』
その言葉に、私は驚くことしか出来なかった。
『あくまで、ここはあなたの夢の中。歴史が変わるわけではありません。私の体をお貸ししますので、自由に過ごしてみてください』