政略妻は冷徹ドクターの溺愛に囚われる~不協和結婚~
そして交際四年目、二十代最後の年。
一月半前にプロポーズされ、正式な婚約を目前に控えていた。
なのに――。
(どうして。どうして……)
那智は、彼から別れを告げられた。
あまりに唐突で一方的で、なぜ突然破局を迎えたのか、今になってもわからない。
茫然自失として、失意のどん底にいた那智に、まるで追い打ちのように、父は他の男との結婚を命じた。
それが、暁だった。
病院でも顔を合わせる機会は少なく、たまに会っても、挨拶程度の言葉しか交わさない彼と、なぜ自分が結婚しなければならなかったか――。
『蓮見君はまだ三十四歳の若さで、海外経験も豊富。今後、赤城総合病院を任せるには、最適な医者だ。彼も、是非にと言ってくれたのでな』
凍りついた心で理解できたのは、この結婚に愛はない、ただの政略結婚ということ、それだけだ。
この一月の間で、身に降りかかった出来事は、どれも嵐のように突然訪れ、心も思考も滅茶苦茶に荒らすばかりだった。
今、自分がどんな現実に直面しているのか、那智の理解は追いつかない。
だからこそ――。
父の命令だけで結婚した夫と、どう接したらいいのか。
本当に、愛はいらないのか。
彼もまた、どういうつもりでいるのか測れないまま、身体だけ開くなど、那智はどうしてもできなかった。
一月半前にプロポーズされ、正式な婚約を目前に控えていた。
なのに――。
(どうして。どうして……)
那智は、彼から別れを告げられた。
あまりに唐突で一方的で、なぜ突然破局を迎えたのか、今になってもわからない。
茫然自失として、失意のどん底にいた那智に、まるで追い打ちのように、父は他の男との結婚を命じた。
それが、暁だった。
病院でも顔を合わせる機会は少なく、たまに会っても、挨拶程度の言葉しか交わさない彼と、なぜ自分が結婚しなければならなかったか――。
『蓮見君はまだ三十四歳の若さで、海外経験も豊富。今後、赤城総合病院を任せるには、最適な医者だ。彼も、是非にと言ってくれたのでな』
凍りついた心で理解できたのは、この結婚に愛はない、ただの政略結婚ということ、それだけだ。
この一月の間で、身に降りかかった出来事は、どれも嵐のように突然訪れ、心も思考も滅茶苦茶に荒らすばかりだった。
今、自分がどんな現実に直面しているのか、那智の理解は追いつかない。
だからこそ――。
父の命令だけで結婚した夫と、どう接したらいいのか。
本当に、愛はいらないのか。
彼もまた、どういうつもりでいるのか測れないまま、身体だけ開くなど、那智はどうしてもできなかった。


