小悪魔王子に見つかりました

「姫茉の、そうやってすぐ嬉しいことまっすぐ言葉にしてくれるところ、大好きだよ。でもさ、姫茉が姫茉だから、私ら一緒にいんのよ」

「羽芽ちゃん……」

ほんとこれ以上泣かせないで欲しいよ。
心の中は号泣だ。

「うちらに遠慮することなんて何もないんだからね!嫌なことあったらすぐ言ってくれたらいいし、嬉しいことあったら一緒に喜ぼう。これからも」

「よーし!うちらの最高のチームワークで優勝するぞ〜!!」

私の心の涙を煽るみたいに、和子ちゃんたちも続けてそういうから。

それだけでもう胸がいっぱいで。

私たち4人は、青空に拳を向けて「おー!」と笑い合いながらグラウンドへの道を進んだ。


「うぉーー!浅海ちゃんポニーテールじゃーん!かっわ──っ、」

グラウンドに出る直前、尾崎くんの陽気な声が聞こえたかと思えば、

その声が不自然に途切れた。
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