小悪魔王子に見つかりました

「ちょ、寧衣!何すんだ!」

尾崎くんの方に目を向ければ、隣にいた寧衣くんが、片手で尾崎くんの視界を塞いでいた。

突然のことに、当然、尾崎くんがいちばん驚いていて、身体をジタバタさせている。

急にどうしたんだろう寧衣くん。

こういうイタズラをするタイプだと思っていなかったから、意外だ。

「昴の目に虫が入りそうだったから」

あまりにも抑揚のない声でいう寧衣がいつもと違ってちょっと違和感だけど。

なるほど。虫か。
優しいなあ、寧衣くん。

「そりゃご親切にどーも。わかったから、もう手離していいんじゃね?もっと浅海ちゃんのポニテみたい」

「……」

「え、寧衣、無視?」

「……」

「姫茉、最っ高に可愛いでしょー?ただ体育祭ってほかの学校の輩たちも遊びに来るから、そこだけは心配よね〜」

うわ、羽芽ちゃんも尾崎くんのこと完全に無視だ……。すごい。
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