小悪魔王子に見つかりました
「っ、木野くん、ありがとうっ!!」
「けど約束して。無理しないで。もしどっか痛くなったらすぐ言って」
「うん。わかった。木野くんもね」
体制を整えて、二人で再び肩を支え合う。
「ふっ、浅海さんに心配されるほど俺やわじゃないよ。よし、行くよ」
木野くんの声を合図に、私たちは走り出した。
「なんと、1組ペアが今、最後まで走り抜くことを決めたのか、ゴールに向かって走り出しています!」
「1、2、1、2」
さっきよりもゆっくり確実に。
「がんばれー!!」
たくさんの応援が、耳に届いて目の奥が熱くなる。
「浅海さん、大丈夫?」
「うんっ、」
自分の膝の怪我はしっかり確認したけれど、不思議と今は本当にどこも痛くない。
目の前に見えるゴールに辿り着くことだけで頭がいっぱいだ。
「あと少しっ!!1組、頑張れ!!」
あと、3歩。
あと、2歩。
あと、1歩。
ついに。
身体に、白のゴールテープが触れた。