小悪魔王子に見つかりました
「いや、俺は全然走れる。けど、浅海さんが怪我して……」
「私も立てる!木野くんが庇ってくれたからどこも痛くないよ!」
「何言って。膝擦りむいてるだろ」
「これぐらい大丈夫!だから走ろう、最後まで」
「けどっ、」
「あんなに練習したんだもん!ゴールできなかったとしても、私は木野くんと最後まで走りたいっ」
例え、失敗しても転んでも。
今ならどんなことも、もう一度、起き上がって頑張りたいと思えるから。
こんな風に思えるようになったのは、寧衣くんや羽芽ちゃん、
木野くんのような、素敵な友達に出会えたおかげだよ。
ひとりでできっこないと思えることも、みんなとなら、できる気がする。
「木野くんっ……お願いっ、」
「……はぁ、わかったよ」
「はっ、」
小さくつぶやいた木野くんが立ち上がった。