小悪魔王子に見つかりました
羽芽ちゃんと尾崎くんのバトルが勃発しそうになった瞬間、すぐに寧衣くんが間に入った。
「昴と純希は海行きな。あとは女の子たちと俺と木野でやるから」
「悪いな寧衣!木野!」
と言った寧衣くんたちと同じグループの浜田純希くんは、
準備万端と言わんばかりに、シュノーケルマスクや浮き輪を手に持って、
そのまま、昴くんとふたり手を振りながら炊事場から海辺へと向かっていった。
「ったく、あのバカ甘やかさないでよねー」
呆れたようにそう言った羽芽ちゃんがため息を軽くついて、寧衣くんの肩をバシンと叩いた。
ほんと、気心知れてるっていうか仲良いよな〜、3人とも。
中学が同じってだけでここまで仲良くなる3人と、中学3年間友達ができなかった私。
全然違うな、と思い知らされる。