小悪魔王子に見つかりました



「あの、寧衣くん……」

「ん?」

「そんなに見られてると緊張、します」

尾崎くんたちが海に行ってから、残りのメンバーでそれぞれ食材の準備に取り掛かってる最中。

野菜の皮むきをしていると、前から感じる視線に我慢ができなくなってそう言った。

「だって、浅海さんの私服姿、すごい貴重だもん。目に焼き付けておかないと」

何を言っているんだ寧衣くん。

そんなこと言ったら、寧衣くんの私服姿こそ、正直かっこ良すぎてまともに見られないんだから。

「そんな見るようなものじゃないから……」

「照れてるの?」

「うっ、」

当たり前でしょうが。

寧衣くんは、戸惑う私を見ておかしそうに「フッ」っと笑うと、「手伝うよ」と言って私の隣に並んだ。

さっきみたいに正面からじっと見られてるのも恥ずかしかったけど、

これはこれでまた緊張しちゃう。

「……寧衣くん、着いてからずっと作業しているでしょ。休んでて大丈夫だよ」

「なにそれ、俺が浅海さんと何かやりたいの」

っ!?

寧衣くんのこういうところが、人の懐に入るのがうまい理由なんだろう。

あざといと言うかなんというか。

でも、みんなにそうだから寧衣くんの周りには常に人がいっぱいなんだ。

変な勘違いをしないようにしなきゃ、舞い上がちゃっだめだ。
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