イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
なんかおかしいと思ったのよ。話がうますぎると言うか、親切心で提案しした体でいたようだけど実は自分のためだったと言うオチ。
もちかして、わたしが専務の秘書になったのも「縁談破棄案件」ってやつ?
専務は呆れ顔でわたしに向い大きなため息を吐いた。

「利用なんかしてないよ」

「でもあまりにタイムリーすぎませんか? 渡りに船ってやつですか?」

「それは違う……とは言い切れないけどね。でも誰でもよかったわけじゃない。君となら結婚もありかなっておもった」

さりげなくすごいことを言っているが、恋愛経験もなく、真面目な性格のわたしは結婚をありとか無しで判断されるのはすごく嫌だ。
「専務にとって結婚って愛はなくてもできるものなのですか?」

「え? そんなことないよ。好きだからこそ、一緒にいたい。誰かのものになってほしくない。この人を守りたい、共に生きたい……だから結婚するんじゃないの?」

あまりにまともなことを言う専務に驚く。
でも真っ当なことが言えるのになぜやっていることが伴っていないの?

「でしたら私と結婚なんてむりですよね」

「なんで?」

「え?」

会話が噛み合ってないの?

「好きでもない人と嘘でも婚約者役になりたいなんて言わないよ」

どうしよう。頭が混乱してきた。

落ち着け私。

「あの……つかぬことをお伺いしますが……私のこと好きなんですか?」
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