契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
そう言って藤堂は少しバツが悪そうな孝也をチラリと見てくっくと笑った。
「次期後継者にという話だから、おめでたい話だとは思いつつ当時は悔しいと思いましたよ。…でもきっとこれでよかったんだ。彼のように優秀な人物には、部下でいてもらうよりライバルでいてもらった方が私にとってはずっといい」
晴香は頬を染めて藤堂の言葉に耳を傾けた。
「だが彼もこれからが正念場だ。会社経営はいい時ばかりではないですから。晴香さん、パートナーとしてしっかりと彼を支えてあげて下さい。私も元上司として彼を応援しています」
晴香は切れ長の藤堂の瞳をジッと見つめて、しっかりした声で「はい」と答えた。
孝也の妻になる、その覚悟が今、できたような気がした。
藤堂が嬉しそうに頷いて、見送りはここでいいと孝也に告げて帰っていった。
「すごく、素敵な人ね」
その背中を見つめながら晴香が思わず呟くと、孝也が小さく息を吐いて頷いた。
「俺の、目標とする人だよ」
「次期後継者にという話だから、おめでたい話だとは思いつつ当時は悔しいと思いましたよ。…でもきっとこれでよかったんだ。彼のように優秀な人物には、部下でいてもらうよりライバルでいてもらった方が私にとってはずっといい」
晴香は頬を染めて藤堂の言葉に耳を傾けた。
「だが彼もこれからが正念場だ。会社経営はいい時ばかりではないですから。晴香さん、パートナーとしてしっかりと彼を支えてあげて下さい。私も元上司として彼を応援しています」
晴香は切れ長の藤堂の瞳をジッと見つめて、しっかりした声で「はい」と答えた。
孝也の妻になる、その覚悟が今、できたような気がした。
藤堂が嬉しそうに頷いて、見送りはここでいいと孝也に告げて帰っていった。
「すごく、素敵な人ね」
その背中を見つめながら晴香が思わず呟くと、孝也が小さく息を吐いて頷いた。
「俺の、目標とする人だよ」