契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
つまり今夜から本格的に結婚生活が始まるということだ。
それを思うと、晴香の胸は否が応にも妖しく騒ぐ。正直言って、定時退社が嬉しいのかどうなのかすらわからなかった。
今まで通り、そのままでいいと孝也は言った。それはつまりそうでなければ、お友達結婚をした意味がないという風にもとれる言葉だ。
大丈夫、今まで通りできるはず。
結婚したからといって、孝也が急に知らない人に変わるわけではない。晴香のよく知る孝也のままなのだからと、晴香は自分に言い聞かせる。
大丈夫、できるはず。
でも…。
「晴香、今日旦那が遅いんだ。せっかくだからどっか寄って帰らない?」
梨乃の誘いに晴香はハッとして、彼女を見つめる。
会社にはまだ結婚のことを報告してはいなかった。
手続きの都合上、社長と人事部長だけには話を通すと孝也は言っていたが、それ以外の社員には、晴香がいいと思えるタイミングで発表することになっている。
「あ、あの、今日はちょっと予定があって…。ごめんね、まだ誘って」
申し訳ない気持ちで晴香が答えると、梨乃はべつに頓着する風でもなく頷いた。
「わかった、じゃあまたね」
晴香はホッと息を吐いた。
それを思うと、晴香の胸は否が応にも妖しく騒ぐ。正直言って、定時退社が嬉しいのかどうなのかすらわからなかった。
今まで通り、そのままでいいと孝也は言った。それはつまりそうでなければ、お友達結婚をした意味がないという風にもとれる言葉だ。
大丈夫、今まで通りできるはず。
結婚したからといって、孝也が急に知らない人に変わるわけではない。晴香のよく知る孝也のままなのだからと、晴香は自分に言い聞かせる。
大丈夫、できるはず。
でも…。
「晴香、今日旦那が遅いんだ。せっかくだからどっか寄って帰らない?」
梨乃の誘いに晴香はハッとして、彼女を見つめる。
会社にはまだ結婚のことを報告してはいなかった。
手続きの都合上、社長と人事部長だけには話を通すと孝也は言っていたが、それ以外の社員には、晴香がいいと思えるタイミングで発表することになっている。
「あ、あの、今日はちょっと予定があって…。ごめんね、まだ誘って」
申し訳ない気持ちで晴香が答えると、梨乃はべつに頓着する風でもなく頷いた。
「わかった、じゃあまたね」
晴香はホッと息を吐いた。