囚われの小説家と使用人〜私の王子〜
「あの、葵さん。私の方が歳下ですし、私に敬語なんて使わなくていいですよ。気軽に名前で呼んでください」

「えっ?いいんですか?」

「はい!」

「じゃあ……颯空ちゃんで」

葵さんはそう言ってふわりと笑う。子どもみたいに無邪気な笑顔に、私の心も温かくなった。その時。

「共作してくれるんだ?嬉しい!しかもこんな可愛い子と」

ガラリと和菓子屋のドアが開き、サイン会で見たことのある顔が入ってくる。真斗さんだ。葵さんが「どうしてこちらに?」と驚いている。

「話題の女子高生作家がどんな人か気になってね。ついでにお茶しつつどんなお話にするか話そうか」

真斗さんにそう言われ、私は「はい!お願いします!」と返事をする。そして真斗さんが差し出した手を何も考えずに取っていた。

葵さんは何かを言いたそうにしていたけど、私は初めての共作ということに舞い上がっていて、何も気付いていなかった。一緒にあんみつを食べて、どんなお話にするかを考えてその日は解散となった。
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