ふたつの羽根

“何してる?”


そう聞かれると返す言葉すらなくなってしまう。


「えっ、いや…」


目を泳がせながら戸惑うあたしに圭介くんはフッと笑った。 


「ってか、今日は皆して計画ブッチっすか?」


計画?

ブッチ?

何それ?

あたしは思わず首を傾げて目線を上げる。


「えっ、何?」

「今日、俺と有亜先輩しか学校来てなかったっすよ?」 


その言葉にハッとした。


「えっ、いや…何も計画とかじゃないよ」


そんな、皆が休んでるなんて知らないし。

焦って必死で伝えるも「知ってます」と圭介くんは笑みをこぼした。


えっ、知ってるのなら言わないでよ。


軽く息を吐き目線を地面に移すと圭介くんはボソッと呟いた。 



「別れるんすか?」 


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