ふたつの羽根

放課後…


待ち合わせをしていた陸の元へ急いで駆け付けた。

口元の端を上げて微笑む仕草がやっぱし好き。


「行こ」


陸はあたしの手を引き歩きだす。


久しぶりに絡ませるお互いの手。

陸の温かい手。


やっぱし陸の隣にいたいよ…

だめかな?



だけど、その温まっていた手も一気に冷たくなったかのように、目の前には見たくない人が立っていた。




…彩乃さん。


何で…何でいつもいつも現れるの?

冷たくなった手を温め直そうと陸の手をギュッと握るけれど全然に温かくもならない。


「お前、まだ何かあんの?」 


陸は舌打ちをし眉間に深いシワを寄せて、ため息をつく。 


「話があってね」


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