ふたつの羽根

「おいっ陸」

再度呼ばれる声に陸はタバコの煙をフーっと吐き「寝てた」と呟きタバコを口に銜える。

「お前寝すぎ」

「そんな寝てねーよ。芝生で寝てた」

「は?川原沿いの?」


陸は人差し指で灰皿を寄せ付け「うん」と言って灰皿にタバコを打ち付ける。

「あれ?お前あんな所にいた?ってか何で一緒にいるわけ?」


何で一緒に居る?

それってあたしの事だよね?

ってか、何で一緒に居るって言う意味が分からない…

あたし、この人と初めてあったのに。


「川原で拾った」

陸は灰皿にタバコを押し潰しうっすら笑った。


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