ふたつの羽根

もういちど顔を覗かせるとフェンスに背を付ける陸が手招きをする。

あたしは苦笑いをしながら中に足を踏み入れた。


「里奈なんか用?」

田上が言ってきた言葉に思わずあたしは首を振った。

「はぁ?!お前、用あるからきたんじゃねぇの?」


はい…

一応そうなんですが…


苦笑いするあたしをみて陸はうっすら笑う。


「俺の事だろ」


見事に的中した陸の言葉にまたまた苦笑いをするあたし。

立ち止まってるとベンチに座っている一人の男が立ち上がった。


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