ふたつの羽根
「痛…ッ」
ゆっくり頭を撫でながら、あたしは目を開けた。
辺りを見回すと薄暗くて、ここが何処なのかもイマイチわからず記憶すら残っていない。
…と言う事はきっとあたしは今まで寝ていたんだ。
少し体を横に向けた拍子に
ドンッ…!
と言う鈍い音が響き体、全身に鋭い痛みが走った。
「いったぁーッ」
右手を腰に回しゆっくりと撫で、ふと目を開けた瞬間あたしの目の前にもうひとつの顔があり、あたしの目は最大限に見開く。
「ぎゃッ!」
勢いよくバッと上半身を起こしたせいか、また頭に激痛が走る。
周りを見渡すとマメ電球の明かりが微かに点いている。
後ろを振り向くと黒いソファー…
きっとあたしはここで寝ていたんだ。