ふたつの羽根
パカッと開けた瞬間、画面の明るさに目が眩む。
電話帳から目的の番号を探して通話ボタンに触れた時、「何処かけんの?」と陸が上半身を起こす。
「家だけど…」
「は?お前、今4時。親寝てんじゃねーの?ってか、それなら心配する事ねーよ。有亜ちゃんが電話してくれてたけど」
「えっ、有亜が?」
頷く陸にホッとした胸を撫でおろし携帯をパチンと閉じる。
ソファーに背をつけ両膝を曲げ、その足を抱え込むようにして両腕を回す。
その腕の中に顔を沈め「ごめんなさい…」と小さく呟く。
「謝んなくていーから、もう少し寝ろ」
迷惑をかけてしまったあたしの心の中にあるのは罪悪感でいっぱいだった。