ふたつの羽根

「だから!あたし何でここに居るの?」 


陸は頬杖を崩しうつ伏せになったまま両手で枕を抱え込む。


「何でって…覚えてねーの?やめとけって言ってんのに酒は飲みまくるし…」


眠そうな目を擦りながら言ってくる陸に「うそっ…」とあたしは声を漏らす。


「嘘じゃねーよ。その後グッタリして寝てたから俺もここで寝てたってわけ」



そうだ…

そうだ…


有亜にアイツの事、話してたんだ。

ってか最悪…


こんな姿を見られた事に、あたしの顔は次第に曇る。


しばらくして、あたしはハッと思い出し近くにあった自分の鞄を引っ張り、その中から携帯を取り出す。


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